大阪大学 細胞生体工学センター
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細胞構造機能研究部門 細胞機能研究分野 田中研究室

教授 田中 亀代次 TEL 06-6879-7971
助手 中津 可道   FAX 06-6877-9136
助手 西條 将文   E-mail ktanaka@imcb.osaka-u.ac.jp
助手 竹内 聖二(休職)      
助手 倉岡  功      

本研究分野では、ヒトを始めとした高等真核生物におけるDNA修復機構の解析とその異常による分子病態の解析を行っている 。

1 ヌクレオチド除去修復機構の解析

紫外線、化学発癌剤、活性酸素等による多様なDNA損傷を修復するヒトのヌクレオチド除去修復機構の解析を行っている。とくに、「転写と共役したDNA修復機構」と呼ばれる、転写鎖上のDNA損傷がそれ以外の部位よりも早く修復される機構に関与する遺伝子の機能解析を行っている。

2 DNA修復遺伝子を欠損するマウスの分子病態の解析

ヌクレオチド除去修復機構に異常を持つ色素性乾皮症やコケイン症候群の原因遺伝子、「転写と共役したDNA修復機構」に関与する新規遺伝子、また、ミスマッチ修復遺伝子、活性酸素によるDNA損傷の塩基除去修復に関与する遺伝子をそれぞれノックアウトしたマウスにおける個体の発育、発癌、老化等の分子病態を解析し、これらの過程におけるDNA修復や転写機構の役割を解析している。

3 DNA修復異常疾患の検索

DNA修復機構に異常を持つ新たなヒト遺伝疾患の検索を行っている。

  ヒトにおけるヌクレオチド除去修復機構のモデル

ヌクレオチド除去修復機構には、「転写と共役したDNA 修復機構」(transcription-coupled repair;TCR)と「ゲノム全体の修復機構」(global genomerepair;GGR)の2つの経路がある。我々は色素性乾皮症A(XPA)遺伝子をクローニングし、その遺伝子産物であるXPA蛋白質が、両方の経路に必須であり、種々な修復蛋白質と相互作用することにより、それらをDNA損傷部位へとリクルートするのに重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、XAB2遺伝子をクローニングし、XAB2蛋白質が、RNAポリメラーゼII、コケイン症候群の原因遺伝子産物(CSA、CSB蛋白質)およびXPA蛋白質と相互作用し、TCRや転写機構に関与することを見いだした。

  XPA欠損マウスにおける紫外線誘発皮膚発癌

  1. XPA欠損マウスは外観上の異常を示さなが、NER 能を完全に欠損し、低線量のUV照射により皮膚癌を高頻度で発生した。

  2. XPA欠損マウスに紫外線照射し発生した皮膚癌の p53 遺伝子の突然変異は、正常マウスのそれとは異なり、変異のホットスポットが欠如していること、転写鎖のDNA損傷が突然変異の原因になっていることを明らかにした。XPA欠損マウスは、XP患者における日光紫外線による皮膚癌発生の分子病態を検索する上でよいモデルになることを示唆した。

研究成果

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(C) 2002 Osaka University Institute for Molecular and Cellular Biology